これで、新生児に何かあったら......
県内の「飛び込み分娩」増加 2007年4月3日(火)
妊婦健診を受けずに出産直前に医療機関を受診する「飛び込み分娩(ぶんべん)」が県内の医療機関で目立っている。八戸市民病院では二〇〇六年、十二件で前年の四倍となった。妊婦の意識の問題、社会・経済的問題などが要因として挙げられるが、「医療事故を懸念する民間医療機関から“飛び込み”を断られた妊婦が、公立病院に集中する」という指摘もある。また、一部関係者は「一回の健診費用が六千円前後と妊婦の経済負担が重く、それが健診を受けないままの“飛び込み”の一因になっている。自治体は補助拡大を」と訴える。
八戸市の飛び込み分娩の現状は三月、青森市で開かれた産科医療フォーラムで八戸市民病院の助産師が報告した。同病院の〇六年の飛び込み分娩は十二件で、〇五年度の三件から、大幅に増えた。〇七年も三月十一日現在で既に四件とハイペースで推移している。
この理由について、八戸市内の複数の医療関係者は「飛び込みで民間医療機関を受診しても、医療事故を避けるため、受け付けない。断られた人たちが市民病院に流れているのではないか」と分析。現に八戸市内の開業医は「福島県・大野病院の逮捕事例などで産科医は委縮している。リスクが高いケースは受け付けず、総合病院へ送るようになった」と話す。また「四月から産婦人科を休診した青森労災病院の影響で、さらに“飛び込み”が市民病院へ集中するのでは」と危惧(きぐ)する医療関係者の声もある。
青森市民病院は年五−十件の“飛び込み”はあるが、特別、増える傾向はないという。ただ、関係者は「社会的・経済的に許されない妊娠のため、飛び込みで来るケースがある」と言う。
一方、弘前市の公立病院でも年間十件前後の飛び込みがあり、同病院の医師は「ほとんどが経済的な問題。妊婦健診はお金が掛かる。弘前市の無料券は二回だけ。もっと補助を拡大してほしい」と説明する。
※写真=妊婦健診を経ずに出産する「飛び込み分娩」が増えている八戸市民病院
東奥日報